一糸乱れぬ祈りの舞──フラダンサーに宿る静かなる力
静けさの中に、心が動く瞬間があります。
フラダンスというと、華やかな衣装やゆるやかなリズムが注目されがちですが、
私が心を奪われるのは──その「一体感」にあります。
この絵を描いたとき、私の頭の中には音楽は流れていませんでした。
ただ、4人の女性の心がひとつになっているという確かな感覚だけがありました。
目を閉じて感じる、静かな連帯
フラは語りの踊り。
でも、言葉がなくても伝わることがあります。
花のレイをまとい、穏やかな呼吸を合わせ、
手を差し出すその所作には、「いま、ここ」に集中する強さがあります。
競わない、でも揃っている
フラの魅力は、誰かを打ち負かすことではなく、誰かと心を揃えること。
この絵の中では、4人のダンサーがまるで一つの存在のように描かれています。
誰かが誰かに合わせているのではない。
誰もが「自然」に調和しているだけ。
そんな時間が、私にはとても尊く思えたのです。
自分自身とつながるための舞
フラの世界では、外側ではなく「内なる心」と向き合うことが大切にされます。
この作品の女性たちは、目を閉じ、少し微笑んでいます。
それは、誰かに見せる笑顔ではなく、「自分を信じる」ための穏やかな確信のようなもの。
そんな想いを、白い衣装の純粋さと、舞い散る花びらの儚さで表現しました。
祈りのように、舞う
フラには、自然や先祖への「祈り」の意味もあります。
誰かの幸せを願い、過去と未来をつなぐために舞う。
そんな精神を、この作品にこめました。
もしあなたが、何かを言葉にできずに抱えているとしたら──
このアートが、少しでもその心の奥に寄り添えたら、私はとても嬉しいです。
さいごに
人は時に、言葉では伝えられない想いを持っています。
だからこそ、私はアートという形を選びました。
「調和」と「祈り」と「静けさ」
この三つを感じてもらえるよう、心を込めて描いたこの作品が、
あなたの日常にそっと寄り添いますように。