ウミガメがくれた静かな約束
ウミガメに導かれて──心の原風景をたどる旅
いつからでしょう。
忙しさの中で、「静けさ」に触れる時間を忘れてしまったのは。
このアートは、そんな私自身の「内なる旅」の記録です。
きっかけは、一枚のウミガメの写真でした。
静かに、でも確かに前へ進む
ウミガメが泳ぐスピードは、決して速くありません。
でも、どんなときもぶれることなく自分の道を進んでいる。
この姿に、なぜか心を奪われました。
「あぁ、自分もこうありたい」と思ったのです。
色の記憶──サンゴ礁と空の青
子どものころ見た、あの色を思い出しました。
鮮やかなサンゴ、透きとおる海、遠くの入道雲。
それは現実の風景だったのか、心の中の楽園だったのか──
その記憶はあいまいでも、懐かしさだけははっきりと残っていました。
「帰りたい」ではなく「還りたい」
この作品に描いた島は、どこかの実在の場所ではありません。
でも私たち一人ひとりの中にある場所──
そう信じて描きました。
それは過去でも未来でもなく、本来の自分が在るべき場所。
心の奥で「また還っておいで」と優しく呼びかけてくれるような、そんな風景。
いま、ここにいることの奇跡
ウミガメは振り返りません。
前にある光に向かって、ただ静かに泳ぎ続けます。
私も、絵を描きながら気づきました。
「過去」や「未来」ではなく、「今ここ」に心を置くことの大切さを。
さいごに──あなたの心の中にも、きっと
この絵が、あなたの心のどこかに眠っている原風景を呼び起こしてくれたなら、
それは私にとって、何よりの喜びです。
ウミガメは、ただの生き物ではなく──
心の羅針盤かもしれません。
さあ、あなたも。
自分だけの「還る場所」へ、旅してみませんか。
── Shorn