スピリチュアルな風が吹くアート|ハワイの自然と神話を描く作品たち
ハワイの風景をただ「南国の楽園」と呼ぶには、何かが足りない気がします。
それは、目に見えない“何か”が吹いているから。
山に、海に、森に、風に――
ハワイには昔から、精霊や神々が住んでいると信じられてきました。
そしてそれは、今でも人々の暮らしの中に、静かに息づいています。
ハワイアンアートは、そうした自然と神話のつながりを、
絵の中にそっと閉じ込めたような存在。
私が絵を描くときも、筆を動かすより先に、
「その場所の空気」や「そこにいる存在」を感じ取るようにしています。
今回は、スピリチュアルな視点から見たハワイアンアートの魅力について、お話しします。
ハワイの自然には“精霊”が宿る
ハワイの神話には、数え切れないほどの**神々や精霊(アウマクア)**が登場します。
彼らは、山になり、木になり、風や火となり、私たちのそばに存在しているとされます。
たとえば:
ペレ:火山と情熱の女神。怒り、愛、変化を象徴する存在
カネ:太陽と生命の神。水や森林を育てる力の源
ヒイアカ:フラと癒しの女神。ペレの妹で、旅と再生を司る
メネフネ:夜に現れる小さな精霊。秘密裏に建築を手伝う存在
アートの中にこうした神話の要素を描くことで、
絵そのものが“祈り”や“守り”のような存在になるのです。
自然の中に物語がある
たとえば一枚の絵に、フラを踊る女性が描かれていたとしましょう。
彼女は単なるダンサーではありません。
その手の動きには、風のささやきや波のリズムが宿っているかもしれない。
背景に描かれたレフアの花は、ペレとロヒアウの愛の物語かもしれない。
つまり、ハワイアンアートとは**“物語の入り口”**。
ただ飾って眺めるのではなく、その背後にある
スピリチュアルなストーリーに耳を傾けることで、絵の世界がぐっと深くなるのです。
描くことで「つながる」感覚
私がLeaf Alohaの作品で特に意識しているのは、
「色」や「構図」以上に、**“その存在とつながること”**です。
描く前に目を閉じて、風の音や空気の匂いを思い出す
その植物が育つ場所、その神話が語られた背景を想像する
そして、自分の中に静かにわいてくる“マナ”を筆に乗せて描く
これは、ただの絵を描くという行為ではなく、
自然と、神話と、自分自身をつなぐ儀式のような時間です。
そして、完成した作品もまた、
誰かの暮らしの中でそっと守りのような役割を果たせたらいいなと思っています。
あなたの部屋にも“風”を招いてみませんか?
スピリチュアルなアートというと、少し難しく聞こえるかもしれません。
でも実はとてもシンプル。
「なんだか惹かれるな」
「ずっと眺めていたいな」
そんな感覚を信じることが、すでに“マナ”とつながっている証拠です。
風が抜けるようなアート、
心に波紋が広がるようなアート、
そんな一枚と出会えたら、それはもう小さな奇跡なのかもしれません。