“レイに宿る想い”を描く|花を結ぶ手とアートの記憶
レイとは「結ぶ想い」
ハワイでレイを贈られたことはありますか?
その一輪一輪の花は、香りとともに、目には見えない想いを編み込まれています。
誕生日や卒業、出発や再会、そして別れの場面まで。
ハワイではレイは、心を言葉ではなく花で伝えるとして、今もなお大切にされています。
レイはただの花飾りじゃない
レイは装飾ではありません。
それは祈りや感謝、敬意、愛情、祝福を編み込んだ「生きた贈りもの」。
ハワイ語の「レイ」には、「花輪」だけでなく「大切な人」や「絆」といった意味もあります。
フラの舞台でレイを身につけるとき、それはただの衣装ではなく、神聖な想いを纏うことなのです。
レイを結ぶ手の記憶
手作りのレイには、ひとつとして同じものはありません。
摘まれた花が、時間をかけて丁寧に紐に通され、編まれていく――
その手元にあるのは、ただの作業ではなく、その人の「気持ち」や「祈り」です。
ときに、祖母が孫に。
ときに、フラの師匠が弟子に。
ときに、もう会えない誰かに。
レイを編む時間は、想いをつなぐ儀式のようでもあります。
アートに刻まれたレイ
レイはフラとともに描かれ、アート作品としても残されています。
その中のひとつひとつに描かれる「レイを手にする姿」には、時間を超えて残る感情があります。
遠く離れても、絵の中のレイは香ってくるように。
誰かの手によって、また誰かの心へと届けられる。
「このレイは、誰のために編まれたのだろう?」
そんなふうに想像することで、花が言葉になる瞬間が訪れます。
レイを贈るということ
現代では、レイをお店で購入することもできます。
でも、心に残るのは「誰かが自分のために時間をかけて作ってくれたレイ」ではないでしょうか?
それがたとえ不格好でも、そこに込められた“想い”があるかぎり、そのレイは何よりも美しいのです。
結びに|あなたの中にもある「結ぶ心」
フラを踊る人も、レイを贈る人も、アートを描く人も──
その行為の根っこには、“誰かに届けたい”という願いがあります。
レイとは、「あなたを想っています」のしるし。
今日、誰かに“レイ”のような言葉や行動を贈ることができたら、それだけであなたの一日はアロハに満ちるでしょう。
小さな花を一つひとつ結ぶように。
日々の中で、あなたのレイを、編んでみてください。